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松田泰一の良心との戦いは、日本で外食を楽しむ人たちや世界中の動物愛護家にとって素晴らしい結果となった。

すべては、京都南部で人気の『焼肉屋』のオーナーが、インターネットで家族のペットを探すことから始まったが、その結果、泰一は動物愛護運動のウェブサイトを見つけた。

その時に初めて泰一は、(ペットとして売られている)動物がブリーダーやペットショップオーナーの手により虐待を受け、食肉の製造が家畜にいかに残酷で、環境汚染につながるかを知った。そして、動物性食品を摂取することが、いかに人の健康に害を及ぼすかについても。

多くの人たちと同様に、泰一は、生きるために肉食が必要だと考えていた。しかし、彼は肉食について学ぶにつれ、その価値観に疑問を感じ、ビーガンのライフスタイルが彼にとって正しい道であると考えるようになった。1週間で、泰一は肉と魚を食べるのをやめ、じきに卵と乳製品もやめた。

彼は自分の選択をひと月ほど秘密にしていたが、彼の妻が疑いの目を向けた。「どうして肉を食べなくなったの?」と彼女は尋ねた。過去10年間、焼肉屋の経営で生計を立てていたため、彼は妻に打ち明けるのを躊躇した。しかし、ありがたいことに、アツコと3人の幼い子供たちは彼のビーガンとしての信条を共有することに同意したが、かつて肉好きだった泰一が彼の新たな決心がどれほど続くかは疑問だった。

泰一は自分がビーガンであり続けることについては自信があったが、彼が経営する焼き肉レストランをどうしたらよいかについて何か月も悩み、落ち込むこともあった。

焼肉屋をすぐにでも畳んでしまいたいと思ったものの、3階建ての自宅の2フロアに、座席数を倍の80席にするためのローンを組んだばかりだった。彼の決断をさらに難しくしたのは、彼が経営するレストランの人気がどんどん高まっていたことだ。近所にできたライバル店が長続きしないのにもかかわらずである。

しばらくの間、泰一は、焼肉屋の経営の続行を正当化し、自分と家族がビーガンになれば十分だと考えていた。次に、レストランを売却することを考えたが、自宅の屋根の下で、肉が供されることに罪を感じた。

ついに彼は、焼肉屋を閉店し、ビーガンレストランとして再オープンすることに決めた。彼の常客だけでなく、母親さえも彼は気が狂ったのではないかと思ったようだ、と泰一は語った。しかし、その決心が付くと、情報とインスピレーションを求めて、彼は日本中を旅行し、台北にも足を延ばし、様々なスタイル(洋風、アジア、精進料理、マクロビオティック、フュージョンなど)のビーガンレストランを試してみた。

ビーガンになってから1年以上たったあとも、自分たちのために料理するとなると、ましてや顧客のためとなるとなおさら、なにを料理してよいのやらさっぱりわからなかった。日本語で書かれたビーガン料理のレシピ本はほとんどなく、泰一もアツコも英語は読めない。東京在住のビーガン料理を教えている友人が、10日間かけて50種類以上のさまざまなビーガン料理の調理法を教えてくれたおかげで、彼らはいろいろな料理が試食できた。

レストランに開放的な雰囲気を醸し出すためのリフォームも自ら手掛け(泰一の前職は大工だったので改装コストを抑えるために自らが金槌を握った)、1か月の精神的、肉体的な準備の後、“Vegans Cafe and Restaurant”は2011年10月にオープンした。

大豆でできたミートソース、ジェノベーゼ、マッシュルーム豆乳クリームソースのパスタやカレー、ラーメンなどメニューのチョイスは限られているものの、メニューには泰一の量より質を重視するこだわりが反映されている。

週のうち、3日間だけ店を開け、あとの4日は営業せずに、レストラン営業の改善に努めた。その理由を泰一は、「同時に複数のスパゲティのオーダーを受けた時、私たちのサービスが遅かったため、お客様に迷惑をかけました」と泰一は完璧主義の性格を認めつつ説明した。

メインのほかに、泰一とアツコはピタパンやマフィンなどの焼き菓子やパン類も用意する。そのほかに、エスプレッソや豆乳入りの抹茶ドリンク、豆乳ソフトクリームも出している。

ビーガンカフェの営業時間は泰一と妻の焼肉屋よりも長いが、彼らの仕事の喜びは日ごとに増している。今では泰一の母すらキッチンを手伝っている。「母はまだビーガンとは言えません。まだ時々魚を食べていますから。」と泰一は言う。

自分たちの失敗から学び続けるため、松田夫妻はまだ新しいビーガンレストランの宣伝をしていない。にもかかわらず、口コミで経営状態はゆっくりと向上している。「もちろん、客層は以前とは違います。ヴェジタリアンの人たちは、私たちの店を見つけた時、とても喜んでくれます」

ヴィーガンズ カフェ&レストランの客の大半は健康上の理由でこの店にやってくる。「福島原発事故の後、放射線による汚染や食べ物によるアレルギーを心配して、人々はもっと食事に気を使うようになっています」と彼は言う。泰一自身の健康状態もビーガンになってから改善した。体重は減り、前より体力が付き、病気にならなくなった。

「私たちが想定していたよりも多くのヴェジタリアンの来店があります」と彼は言う。彼は、情報提供のため、ヴェジタリアンが動物愛護活動のパンフレットを置くスペースを喜んで提供している。つまるところ、動物愛護のために、彼はビーガンになったのだ。

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http://veganscafe.blogspot.com/

612−0029伏見区深草西浦町4丁目88

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